|
バカンス
8月が終わった。この三ヶ月あまりのあいだ,私は何をしていたのだろうか? 治療,修行,リハビリ・・・いずれも当てはまらない。強いていうならバカンスであろう。しかも,通常の業務をこなしながらのバカンスだ。
ことの起こりは6月の始め,例のごとく米国での学会を終わらせ帰国した直後のことだった。楽しい,嬉しい,心地よい,辛い,悲しい,疲れ,など何も感じないことに気付いたのである。この時期,田舎に住む私は,夏を感じさせる水田や山々に抱かれる風景の美しさに心地よさを感じて過ごすのが習いのはずであるが。
思い起こせば,学会へ出かけるときからその兆候はあった。学会ではさまざまな刺激を受ける。そのため,通常であれば飛行機に乗るときから期待感がある。しかし,今年はそれがなかった。すでに私の感性は麻痺していたのである。
意外と知られていないが,大学がパラダイスであったのはバブル以前の古き良き時代なのだ。今は,大学間競争の中,以前より厳しい研究業績のノルマ,高校・予備校並のきめ細かい授業と学生対応,地域貢献としての街おこしや小中学校,高校へのサ−ビス講義,行政への協力,企業への技術移転などなど。大学の研究者の大半は疲れ切っている。私も例外ではなかった。
異変に気付くまでの私は,忙しさの中ただひたすら日々の業務をこなしていた。元気だと信じていた。持病の腰痛が無くなったとも思っていた。腰痛を感じないほどに疲労していたことに気付かずに。その異変に気付かせてくれたのは友人だった。言われてみればたしかに変だ。感情を持たないロボットのようになっている自分がいる。極度のストレス疲労だ。心理学に多少の心得があるのでリラクゼーション法を行ったが,全く緊張を解すことはできなかった。困っている私に友人は,横山先生を紹介してくださった。
初回,横山先生は,独特のリラクゼ−ション法でリラックスさせてくださった。数年ぶりの心地よさと開放感を感じた。その直後,強烈な腰痛が襲ってきた。緊張がほぐれ始めたのだ。整形外科や鍼灸院で,一生治らないので(それほどにひどい状態なので)上手にコントロ−ルするように言われていたことを思い出した。
2回目以降,8月末までの複数回は,リラクゼ−ションと腰痛治療の両方をしていただいた。その間,無理矢理に時間をつくって,教えていただいた自分でできるリラクゼ−ション法と腰痛体操を毎日繰り返した。そして,ストレス疲労は完全に吹き飛んだ。整形外科や鍼灸院に見放された腰痛も完治した。これらの日々は,リゾ−ト地でのバケ−ションの気分であった。それは,まさにバカンスと呼ぶに相応しいものであった。
横山先生によれば,腰の完治と心地よいリラックスは治療技術のみならず気功の力によるものであるとのこと。科学に携わる者として,気功の力を科学とか非科学とか今はいうことができない。気があると証明できればそれは科学であり,無いと証明されれば非科学なのである。どちらなのかという直感は私の中にあるが,どちらとも証明されていない段階で何も言うことはできない。ただ,横山先生の治療で完治不能といわれた腰痛が治り,心理学で裏付けられたリラクゼ−ション法で開放できなかったストレス疲労から開放された事実は変えることができない。これからも,日々のストレスを発散させるため,腰痛再発防止のため,教えていただいたリラクゼ−ションと腰痛体操を続けるつもりだ。
気功の力を信じようが,信じまいがどちらでも良い。トラブルを抱えた人は,とりあえず横山先生に任せてみよう。気功が科学であっても非科学であってもいいではないか。そんなことは科学者に任せておけばよい。ようはトラブルを解決できればよいのだ。そして幸せな人生をおくろうではないか。
横山先生に感謝の意を込めて
前橋工科大学 大学院 専任講師
工学博士 松本浩樹
|